デザイナーのグエナエル・ニコラさんをお迎えしての『WHO’S AT THE BAR』、最終回です。デザイナーとはどうあるべきかという哲学のお話からバーの楽しみ方まで、話は最後まで多方面に渡ります。

−−ニコラさんの話が刺激的なのは、デザインという仕事を多角的に観ていることですね。
ニコラ:デザインとは僕流に定義すると、アート・オブ・エンカウンター、出合いの技術ですから。空間とひとをどう出合わせるか、モノとひとをどう出合わせるか――。そこに光や温度や音や、あるいは驚きの要素を入れることで訴求力が強まる。おもしろいですよね。
−−それが前にも話に出た、1プラス1は3でなくてはいけないというニコラさん流の哲学につながる。
ニコラ:問題解決の手段だけならそれは職人の仕事であって、想像力をかきたてるのもデザイナーの大事な仕事です。だから僕自身、生きているのが楽しくてしようがない(笑)。夜寝る時、「今日は楽しかったな」と思えるのが最高。そう思えるような一日を送ることを心がけています。

−−それはいいですね。どういうことがあると「楽しかった!」と思えるんですか。
ニコラ:何人の知らないひとと出会えたか、昨日まで知らなかったことを知ることが出来たとか、そんな経験が増えるとベッドに横たわったとき「今日は楽しかったな!」という言葉が出てくるんです。
でもたまに、たくさんのひとに会っても楽しいと思えない時もある。そういう場合は、夕食を作ります。料理本で知らない料理を探して。
−−1日の最後をバーでしめる、なんてことも?
ニコラ:外国ではそういうことも多いです。1年に20回ぐらい外国に行ってます。移動中はデザインのスケッチしているから、意外に東京にいるより集中するかもしれません。そして夜にバーに行くこともありますね。ロンドンとかミラノにも、いいバーがありますから。今回はボンベイ・サファイアを飲ませてもらいましたが、僕にとってジンってすごくパーソナルな要素が強い酒なんです。ワインはソーシャルドリンクというか、レストランなどみんなで一緒に飲む酒ですが、ジンは自分で選んで自分のために飲む。一日の終わりにバーでボンベイ・サファイアっていいですね。
デザインとは「出合いの技術」と言い切るニコラさん。問題解決の手段だけではなく、その出合いから生まれる拡散的な要素すら、その豊富な想像力で楽しんでいらっしゃる、またそれがニコラ流デザインの真骨頂なのかもしれません。デザイナー、グエナエル・ニコラさんをお迎えしての『WHO’S AT THE BAR』いかがでしたでしょうか。次回の『WHO’S AT THE BAR』もお楽しみに!
取材場所:Two Rooms Grills/Bar