--年も変わって2009年となりました。瀧さんの今後のお仕事の予定などをお伺いしたいのですが。
瀧「予定……、今のところ特に敢えて言うようなことは…無いかなー」
--えっ、全然無いんですか?
瀧「いやいや、そりゃ仕事はありますよ!これでも個人事業主なんで仕事はやってかないと!(笑)とりあえず、去年の電気グルーヴの活動の流れで、過去に発売したDVDを再発したりだとか、そういう予定はありますね。発売の詳しい日程とかはまだ決まってるワケじゃないんですけど。あとは、今やっているレギュラーの仕事を引き続きって感じかな、今のところ」
--既に様々なジャンルでご活躍の瀧さんですが、2009年はぜひこんなことをやってみたい!というような、希望といったものはおありなんでしょうか。新しくチャレンジしてみたい方向といったものとか。
瀧「あー、そういうのは別に無いですね。そういうことを事前に決めて、ああしようこうしようっていうのは、いつも無いです。むしろそうしたくないって気持ちのほうが強いですよ。先々までがっちり、こういうことやろうとか、ここ目指そうとか決めちゃうのもねえ…なんかそういうことに縛られるのも嫌だし、疲れちゃいそうだし(笑)」
--目標みたいなものを立てると、達成しなきゃいけないって無意識に思ってしまうところがありますよね。
瀧「勝手に言ってみただけなのに、できないと萎えるとか、つまんないことじゃないですか(笑)。だからまあ、自分としては今まで通り、オファーがあった仕事を、だらだら広く浅く(笑)やっていこうという感じですかね。そんなだから一向に大成しないんですけど、でもそれはそれで面白いかなーって」
--そうやっていろんなジャンルのお仕事をなさることは、やっぱり本業のミュージシャンの活動にも良い形で影響を及ぼしてると思われますか?
瀧「それはあるでしょう、当然なにがしかのフィードバックはあると思いますよ?っていうか、そう思わないとやってられない(笑)、こうまでいろんなことは。まあ特に意識してそのためにやってるわけじゃないし、具体的に思い当たる瞬間があるってわけじゃないですけどね。たとえば『百万円と苦虫女』に出演した経験が今ここで俺にとって役に立ってる!とかってことは別に思わないんだけど(笑)」
--いったん引き受けてしまってから、「これは失敗したなー」というようなお仕事というのは無いんでしょうか?
瀧「あ、わりとね、そういうのは鼻がきくタイプなんですよね。これヤバそうだなあとか、楽しめなさそうな仕事は、事前に何となくわかる。動物的な勘がはたらく、ん?何か匂うぞ、みたいな(笑)。そういう『匂い』みたいなものって、逆パターンていうのもあるんですよ」
--逆パターンとは?
瀧「去年の話なんだけど、ある映画の依頼があって。その映画が何かこう凄い堅い…真面目な映画のちょっとした役なんですけど。わざわざオファーをくれるのはありがたいけど、正直『何でオレ?』って感じのね(笑)内容だったんですよね。で、どうなんだろうなーこれなあ、って最初思ったんですけど、なんかひっかかるものがあって」
--『匂い』がしたんですね、良い意味で。
瀧「そうそう、何かピンときて。とりあえず受けてみるかとなったんですよ。それで実際に、現場に行って監督さんにお会いしたら、古い知り合いだったんです、その人。昔…20年も前に、とある映像系の制作会社で働いてたことがあるんですけど、その頃の知り合いで、俺のこと憶えててくれて。別れる時にはそりゃあ、いつか一緒に仕事またできたらいいね、みたいなことは言ってたような気がするんですけど、それが現実になった。」
--20年振りの約束が実現。それは凄いですね!良い方に鼻がきいてくれて良かった(笑)。
瀧「そう、それだけでも結構凄いなーって思ったんですけど、この話にはまだ続きがあって。ちょうど同じ時期に、その映画とは全然関係のない、深夜のテレビ番組でね、そういう再会モノの企画の話が来てて。会いたい人に会いに行く、みたいな内容なんだけど、なかなかその相手の人の消息がつかめなくて、煮詰まってたんですよね。で、そんな時に同じ会社のスタッフだったその監督さんと出会えたことでいろいろ聞けたりして、テレビ番組の話のほうもね、急にコロコロと転がって。そのとき俺、一週間で、20年振りに会う人にいっぺんに二人も再会したっていう」
--そういうことって、本当にあるんですね。
瀧「ねえ。やっぱりそういうインスピレーションって大事だなーみたいな。だからあんまりね、前もって、これはこうすべきって決めてかからないで、直感に敢えて従ってみるとかもね、したほうがいいなあって思うんです。人生、何があるかわかんないってほうが、面白いでしょう、どう考えても!」
四回にわたってお送りしたピエール瀧さん、いかがでしたでしょうか。次はどんな世界から、そのユニークな個性を発信してくれるのか?“面白いことには鼻がきく”、そんなピエール瀧さんの2009年の活躍も、かなり期待できそうです!