ミュージシャンのカヒミ・カリィさん、3回目のご来店です。今回は、ナチュラルにありのまま、美しくあるにはどうしたら?そんな秘訣をカヒミさんにそっとお教えいただきます。
--美しさやスタイルをキープするために、日頃気をつけて何かされていらっしゃいますか?
カヒミ:うーん、何かここでこれって言えたらいいんですけれど…特別なことは何もしてないですね。私どちらかというと、エステに行くんだったらマッサージに行って「気持ちいい!」ってほうを選ぶタイプです(笑)。お洋服もお洒落も大好きですけど、それ以上に食べることも大好きだし。

--そういえば、ベジタリアンでいらっしゃるんですよね。
カヒミ:パリに引っ越す前は肉が苦手だったんですが、今は何でも食べられます。でもやっぱり野菜が一番大好きですね。好きが高じて自分の家のテラスでいろいろ育てたりもしているんです。たぶん皆さん、広いお庭がないとできないって思ってる方が多いと思うんですけど、そんなこと全然無いんですよ。
--テラスで家庭菜園!本格的ですね、どんなものを育てたりなさってるんですか?
カヒミ:最近は、お店ではなかなか手に入りにくい、珍しい野菜を育ててます。小さなひょうたんみたいな形をした“バターナッツ”って名前のかぼちゃとかね、黒いトマトとか、黄色くてまるでレモンにしか見えないキュウリだとか。狭いスペースでも結構いろいろと作れます。
--レモンにしか見えないキュウリ!?
カヒミ:ええ、ちゃんと黄色くて、レモンのあの形をしているんだけど、味はキュウリなんです。面白いでしょう?あと、ここのところ“食べられる花”にもハマってますね。ナスタチウムっていう黄色い、ちょっぴりわさびみたいな味のするお花だとか…、ハーブも育ててるんですが、ハーブの花って、食べられるんですよ。
--ハーブの、花の部分がですか?
カヒミ:ラベンダーやバジルなんか全部食べられるんです、美味しいんですよ。取材でスウェーデンに行った時にそういったお花を使った料理が出てきて、私もそのとき初めて食べられることを知ったんです。
--日本では、ハーブの花をお料理に使っているのってあまり見かけませんよね。
カヒミ:花の時期が短いし、摘んでしまうとすぐしぼんでしまって長くは持たないので、手元で育てていないとどうしても難しいんですね。花に限らず、お野菜も、最も美味しい時っていうのは瞬間なので、やっぱり手元で育てるのが出来たら本当は一番ですよね。
--カヒミさんは、お料理も得意でらっしゃるんですよね。ご自身のブログにもオリジナルのレシピを載せているのを拝見したりしています。
カヒミ:やっぱり、食べたり何かを作る事だったりが好きなんだと思います。精進料理を習ったり、植物学や食物学の専門書もね、普通の本屋さんではあまり見かけないけれど、ネットだとすぐに手に入ったりするじゃないですか。そういう、一体誰が他にこういう本買うのかしら、っていうような本を買い込んで読みふけったりだとか...。

--曲作りと一緒で、いったん標準が定まると止まらないんですね(笑)。でも、植物を育てていたら、毎日の空模様や季節の移り変わりにも気持ちがいくし、普通に暮らしていると見逃しがちな、自然本来のサイクルを肌で実感できますよね。
カヒミ:そうですよね。そうやって花や野菜の世話をしていると、大げさなことではなくごく当たり前のこととして、いのちの在り方だとか、根源的な部分にも思い馳せるようになりますね。哲学だとか宗教だとかって凄く敷居の高いことみたいに思いがちですけど、「あ、もしかして、こういうことかな」なんて、ふと気付かされたり。一見ばらばらで、何のつながりも無いような出来事も、すべて繋がっているんだなって思う時も、何となく多くなりますね。
--そういう、言葉通り「地に足のついた生活」というものが、心の余裕とか、潤いみたいなものにも繋がっていく。カヒミさんのナチュラル・ビューティの源でもあるんでしょうね。
カヒミ:そうですねえ、「食」っていうのはすべての始まりというか、すごく大事なことだと思いますね。もちろん、たまにはね、友達同士わいわいドライブして、ハンバーガーを食べたりね、そういうことっていうのもすごく楽しくて好きです。
--たまに、敢えてそういうものが欲しい時というのも、人間にはありますよね。
カヒミ:でも毎日がファスト・フードっていうのは、やっぱり心にも体にもかなりハードで良くないと思うわ(笑)。
次回は、いよいよ最終回。バーという場所に相応しく、カヒミさんとお酒との付き合い方などお伺いします。海外に行かれることも多いカヒミさんならではの、珍しいお酒のお話も。ぜひお楽しみに。