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ファッションデザイナー 信國太志 vol.2~デザイナーを志したきっかけ

January 15, 2008

ファッションデザイナー信國太志さん、2回目のご来店です。自身のブランドのほかに、「TAKEO KIKUCHI」のクリエイティブディレクターを務めるなど、日本ファッション界を牽引してきた信國さんのルーツに迫ります。

--もともとセレクトショップでバイヤーをされていて、そこからデザイナーに転身しようと思ったのはなぜですか?
信國:バイヤーを続けていくうちに、ショップとして海外ブランドと契約する仕事に発展していったんです。ただ、なかなか思い通りにいかなったので、それなら自分で作れないかと考えたのが最初です。

信國太志さん

--セレクトショップ時代はアメリカのストリートファッション中心でしたが、そこから「ビスポークテーラー」や「セント・マーチンズ」で学ぶなどヨーロッパに軸足を移していますね。
信國:アメリカのストリートカルチャーが大好きだったんですけど、実際に住んでみると、幻滅することも多かったんです。アメリカ文化は多くの人に受けることが第一で、私的なものではない。それがしっくりこなかったんですよね。もちろん、そこから生まれる雑な感じが魅力だったりもするんですけど。で、その後イギリスに行ったら、今度は驚くほど自分にしっくりきたんです。

--それはファッションにおいてですか?
信國:もっと大きな意味で、懐かしいと感じることがたくさんあった。変な話ですけど、僕はいろんな人から前世がイギリス人だって言われるんです。だから、テーラードなんかは服作り云々じゃなくて、もっと自分の深い何かに染み込んでる感じがしたんですよね。

--それは劇的な出会いですね。ファッションデザイナーというお仕事をされていて、嬉しいと感じるのはどんな瞬間ですか?
信國:街で自分の服をカッコよく着てくれていると、嬉しいですね。「この人、何かいいな」とよく見たら自分の服だったことがあって、あれはすごく嬉しかった。

--着る人にとって、信國さんの服がどういうものであって欲しいと思いますか?
信國:うーん、いろんなレベルがありますが、「この服を着ると調子がいい」ということがありますよね? そこを深く考えてみると、ちょっと不思議な話になるんですけど、それは服を着ることで「波長が上がった」んだと思います。「BOTANIKA」をはじめたのも、植物のエネルギーを持つ洋服には、そういう力があるんじゃないかと考えたからなんです。

--信國さんが、デザインを通じて表現したいのは、突き詰めるとどういうことでしょうか?
信國:究極を言えば、人の優しさとか、思いやりの気持ちを表現できたらいいなと思います。ただ、やっぱりファッションはファッションであって、「地球を救いましょう」というのとはまたちょっと違うので、あくまで究極の話なんですけど。

信國太志さん

--では、ファッション自体は、今後どういうものになって欲しいと思いますか?
信國:今は「お金持ちに見えるか」「異性にモテるか」という2点だけでファッションが存在しています。それとは違う、みんなが共通して感じる美しさだったり、着心地だったりを大切にする、そういう意識に着る人たちがシフトしていって、作り手もそれに応える。そうやって、お互いにステップアップできたらいいですね。

次回は、信國さんのプライベートについてお伺いします。話題は趣味から量子物理学にまで広がります。

取材場所:セント・ジョージ バー(ヒルトン東京)
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