六本木の交差点から、100歩と離れていないテナントビルに入居する「Bar HYGGE」。しかし、雑踏を背にしてエレベータに乗り込み、7Fまで上がってみると---。
そこは都会の喧噪から遠く隔たれた別世界であった。ほのかに照らすアンバーな灯りと、落ち着きに充ちた空気が、これから始まるヒュッゲ(デンマーク語で「心地よい、温かな雰囲気」)なひと時を予感させる。

大谷石と木で設えられた店内には、20世紀の巨匠建築家フランク・ロイド・ライトのデザインになるフロアスタンドが。かつて彼の設計で、戦前の東京に存在した「旧帝国ホテル」のバーを彷彿させるタイムレスな雰囲気が、この店にはある。
とはいえ、そんな「Bar HYGGE」にやってくるのは、六本木らしいファッショナブルな客層が中心。若い女性の“おひとりさま”も少なくないと、店長の坂井祐輔氏はいう。そして、彼女たちから最も寵愛を受けるカクテルのひとつが、フレッシュなイチゴをふんだんに使った「ストロベリー・コリンズ」であった。
さっそく頼んでつくってもらった一杯。カウンターの上に、ボンベイ・サファイアの碧いボトルととともに並べられたさまは、さながらきらめくルビーとサファイアのようでもあり、見た目にも美しい。その色味から、それなりに甘い飲み口を想像したが、口当たりが意外にさっぱりと清冽なので驚いた。
「フレッシュなライムをしっかり搾っていますから」とは店長の弁。ペストルで潰されたイチゴは、ほどよい存在感を残しており、口に含んだ後、噛んで味わう愉しみもある。
それにしても感心すべきは、ライムの酸味とイチゴの甘みを、先述のさっぱりとした口当たりにまとめ上げる、ボンベイ・サファイアの懐の深さである。蒸留の過程で10種類のボタニカルによって豊かに香り付けされた、このプレミアム・ジンには、素材によって自らの色を変えながらも、最後はしっかりと手なずけてしまう芯の強さがあるのだ。
「イチゴだけでなく、巨峰やブルーベリー、マンゴー、パッションフルーツなどでつくっても喜ばれます。いずれの場合も、ベースとしてご指名いただくのは、やはりボンベイ・サファイアです。どんな素材をも引き立てる、ピュアでいて華やかな飲み口と、カウンターにグラスとともに置いて“絵になる”ボトル。そんなジンは、ほかにはありませんから」
〈レシピ〉
ボンベイ・サファイア45ml、イチゴ5〜6個、フレッシュ・ライムジュース20ml、シロップ10ml、ソーダ適量
〈作り方〉
ヘタを取り除いたイチゴを、ペストルで潰す。そこにボンベイ・サファイア、フレッシュ・ライムジュース、シロップを加える。クラッシュアイスを入れてソーダで満たし、ステアする。半分にカットしたイチゴとミントの葉を飾る。
このカクテルが飲めるお店:「Bar HYGGE」
バーテンダー:「Bar HYGGE」店長 坂井祐輔氏