静かに時を刻むほの暗い森の奥、百年もの間、ずっと眠り続けている美しい姫。
かの有名なグリム童話の一篇からその名をとったこのオリジナル・カクテルは、魔法にかけられたその夢見心地をそのままグラスに閉じこめたような一杯だ。
まず、深い碧からグリーン、そして透明と、グラデーションのかかった、その色合いがなんとも美しい。そしてグラスに口を寄せると、ボンベイ・サファイアのボタニカルと、瑞々しいフルーツのフレーバーが織り成す印象的な香りが鼻腔をくすぐる。
そして味。メインとなるパイナップルシロップのまろやかな口当たりと、サファイアのシャープな味わいの軽やかなハーモニーは、まさに清冽。アップルやレモン、そしてパインと、フルーティな味わいが素地となってはいるものの、それらが担うのは甘さではない。そのさっぱりとした酸味と爽快感は、サファイアのプレミアムジンならではの深みと洗練を増幅させてさえいるのだ。
その名からして女性を意識した甘いだけのカクテルなのだろうと、敬遠するのは早計。女性にも男性にも、カクテル初心者にも本格を求める人にも。『スリーピング・ビューティ』の、この美しく完成された一杯の物語は、誰にとっても価値のある名作である。
このカクテルが飲めるお店:マンダリン オリエンタル 東京「マンダリンバー」
Mixologist:「マンダリン・バー」栗原幸代氏
<レシピ>
ボンベイ・サファイア30ml、パイナップルシロップ20ml、アップルジュース10ml、レモン果汁1tps、ブルーキュラソー1tps
<作り方>
ボンベイ・サファイア、パイナップルシロップ、アップルジュース、レモン果汁を合わせ、クラッシュアイスとともにシェイクする。ブルーキュラソーを落としたグラスに注ぎ、軽くステアする。花びら、ミントを飾り付ける。