「こわれゆく女」。この名を聞いてピンと来る人は、映画それもインディペンデントの世界に随分と精通した人物ではないだろうか。今回カクテルに付けられたその名は、知る人ぞ知る名画からインスピレーションを得て生まれたものだ。
「ニューヨークのインディペンデント系映画は昔から好きなのですが、カサヴェテスはその中でも特別な存在です。オリジナルのカクテルを作るときイメージしたのは、そんなカサヴェテスの中でも特に思い入れのある作品でした」とは世田谷区三宿のバーBUZZ OFFのオーナーディレクターである中島哲也氏。
映画は水道修理工の一家の物語。多忙で家を空けがちな夫の不在による寂しさから心の均衡を崩してしまう妻を必死に愛し支えようとする夫。悲哀と狂おしさそして愛情などさまざまな感情が解け合い、あふれる作品である。カクテルもボンベイ・サファイアの豊潤な香り、ライムの酸味やドライベルモットのかすかな苦みなど味わいが幾つも重なりひとつのカクテルとして完結している。
甘いだけじゃつまらない、苦いだけもありきたり。伝説の映画と同じ名を持ったカクテルは、その作品のごとく甘いも苦いも取り込み、美味なるハーモニーを奏でている。
このカクテルが飲めるお店:「BUZZ OFF」
<レシピ>
ボンベイ・サファイア10ml、ドライ・ベルモット40ml、ライムジュース5ml、トニックウォーター&ソーダ適量(割合は半々)、ライムスライス
<作り方>
ボンベイ・サファイア、ドライ・ベルモット、ライムジュースをグラスに加える。次にトニックウォーターとソーダを注ぎ、軽くステアし、ライムスライスを飾る。