マンハッタン、シンガポールスリング、キューバリバー‥‥。その場所のイメージが発端となったカクテルは多い。この「日本橋マティーニ」も、日本橋という街をイメージして作られたニホンバシイチノイチノイチのオリジナルカクテルである。
ほのかに色づいた緑は玉露によるもの。日本茶の最高峰と呼ばれる玉露だが、使用する茶葉もこの土地で創業から300年以上の歴史を持つ老舗・山本山のものと決めているそうだ。低温でじっくり抽出したお茶は、レモンピール、コリアンダーといったボンベイ・サファイアのさまざまなフレーバーにさらなる深みとすがすがしさを与えている。玉露がヴェルモット代わりの甘みとなり、さしづめ和のマティーニといったところだろうか。
「玉露は風味が豊かなお茶ですが、決して主張しすぎることはありません。それが洗練されたジンであるボンベイ・サファイアとの好相性を生んでいるのだと思います。ずっと愛されてきたものには、他者を尊重しながら自己の存在もきちんと印象に残すという共通点がある。このカクテルにはそんな共通点を持つもの同士だからこそ成立する東西の融合なのではないでしょうか」とゼネラルマネージャーの渡邉雪蔵さんは言う。
ジュニパー・ベリーの香りばかりが立っているジンでは、玉露の繊細さは失われてしまうだろう。豊かな香りを持ちながら、決して悪目立ちすることのないボンベイ・サファイアの個性が、和の素材との絶妙なハーモニーを奏でているのだ。
黄昏時、白髪の紳士が奥様とおぼしきご婦人と連れだって食前酒にマティーニを注文。そんな粋な光景をこの界隈では目にすることが出来るのだという。江戸より賑わい、古き良き時代の東京を今に残す希有な街から生まれた日本橋マティーニ。美しい緑のカクテルは、人生と酒を愉しむ術を知る大人のための飲み物である。
このカクテルが飲めるお店:「ニホンバシイチノイチノイチ」
<レシピ>
ボンベイ・サファイア、玉露を適量 シロップ少々
<作り方>
低温でじっくり抽出した玉露茶にボンベイ・サファイアを入れ、グラスに注ぎステアする。お好みでシロップを適量加える。ソーダで割ってロンググラスで味わうのも良い。