未来のトップデザインを担う若手デザイナーたちのためのグラス・デザイン・コンテスト「ボンベイ・サファイア デザイナーグラス コンペティション」。これまでも日本大会の様子など度々リポートしてきたが、そのグランプリの栄冠に輝くマティーニグラスが、2008年9月、ロンドンにて発表された。

第七回目を迎えた今回は、世界21カ国(オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、日本、韓国、オランダ、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、台湾、タイ、イギリス、アメリカ)から代表として選ばれた気鋭の若きデザイナーたちがロンドンに集結。挑戦的かつ刺激的な、個性豊かなグラス作品がずらりと勢揃いした。

その激戦を勝ち抜き、グランプリに選ばれたのは、タイ代表Amorn Thongsaardの作品「Ramify」。“分枝”と名付けられたこのマティーニグラスは、ボンベイ・サファイアの印象的なボトルに着想を得て、そこから成長し、枝を伸ばしていく姿をイメージして作られた作品。シンプルで流麗なデザインの美しさのみならず、そのデザインに込められた「成長、進化」といったメッセージが、まさにボンベイ・サファイアの姿勢ともシンクロしており、そのあたりに心動かされ高く評価した審査員も多かったようだ。アジアからのグランプリ受賞者は、2003年の竹山賢以来、二人目となる。デザイン界における昨今のアジアン・パワーを象徴する形となった。
準グランプリにはフランス代表Camille Ulrichの作品「Nymphea」が選ばれた。印象派の巨匠・モネの名画「睡蓮」がモチーフというこの作品は、エレガントな曲線で作られたグラスが、重なり合うようにセットされているのが印象的なグラス。マティーニを傾けつつ、穏やかに心癒されるひとときがまざまざ浮かぶようだ。
三位には、ウェブでの一般投票でも一番票を集めたスイス代表Jacobo Munozの「Bombay Topographie」。3mm厚のガラスが24枚重なって作り上げられたこのグラスは、ガラスと光の織り成す繊細なフォルムが見事な調和を生み出している。ガラス素材の新たな可能性を引き出した作品といえよう。
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日本代表の望月未来は惜しくも無冠となったが、審査委員長アレック・レヴィは日本の伝統的な升を模した彼の作品を「美しい暗喩」と賞賛した。
今回も盛況の中、大いなる成果をもって終了した「Designer Glass Competition 2008」世界大会。そして次回大会に向けての学生アーティストたちの切磋琢磨は既に始まっている。今後も世界中の若き才能のモチベーションを高めていくことだろう。